芽切り6月・7月(中旬-下旬)毎年(短葉法時)今月

クロマツ(黒松)
Pinus thunbergii
別名: クロマツ / 雄松 / Japanese Black Pine
盆栽の王道。樹勢が強く、芽切り・芽摘みによる葉の短小化が腕の見せ所。日当たりと風通しを好む。
今月の作業 (6月)
- やること
- 梅雨明け頃、その年に伸びた新梢を元から切り落とす。これにより二番芽が出て、短く詰まった葉になる。
- なぜ
- 黒松特有の短葉法。本来の葉長(8-10cm)を 2-3cm まで縮めることで、盆栽としての樹格・葉姿が向上する。
- 注意
- 樹勢が弱い木・若木・植え替え直後の木には行わない。芽切りは樹を消耗させるため、肥培管理が前提。
- 施肥4月・5月・6月・9月・10月(全般)月1回程度今月
- やること
- 固形油粕主体の有機肥料を鉢縁に置く。盛夏と厳冬期は休ませる。芽切り予定木は5-6月の肥料を多めに。
- なぜ
- 黒松は強健で肥料食いだが、夏の高温期は施肥が逆に弱らせる。芽切り前は十分な栄養を蓄えさせる必要がある。
- 消毒3月・4月・5月・6月・7月・8月・9月・10月・11月(全般)月1回程度今月
- やること
- マツカレハ・マツノキバチ・葉枯れ病に対し、殺虫殺菌剤を散布。発生前の予防散布が効果的。
- なぜ
- 黒松は害虫病害が出やすく、特にマツカレハは葉を一晩で食害する。予防散布は発生後の駆除より低コスト。
- 水やり通年(全般)毎日今月
- やること
- 夏は1日2回(朝・夕)、春秋は1日1回、冬は2-3日に1回。表土が乾いたらたっぷり与えるのが基本。
- なぜ
- 黒松は乾燥に強いが、鉢植えは地植えより乾きやすい。水切れは葉先が黄変するサイン。
年間作業カレンダー
- 1月
- 剪定
- 針金掛け
- 水やり
- 2月
- 植え替え
- 剪定
- 針金掛け
- 水やり
- 3月
- 植え替え
- 消毒
- 水やり
- 4月
- 芽摘み
- 施肥
- 消毒
- 水やり
- 5月
- 芽摘み
- 施肥
- 消毒
- 水やり
- 6月(今月)
- 芽切り
- 施肥
- 消毒
- 水やり
- 7月
- 芽切り
- 消毒
- 水やり
- 8月
- 消毒
- 水やり
- 9月
- 施肥
- 消毒
- 水やり
- 10月
- 施肥
- 消毒
- 水やり
- 11月
- 古葉取り
- 剪定
- 針金掛け
- 消毒
- 水やり
- 12月
- 古葉取り
- 剪定
- 針金掛け
- 水やり
クロマツを育てているみんなの盆栽
みんなの盆栽 →全ての年間作業
- 植え替え2月・3月(下旬-中旬)2-3年に1回
- やること
- 根を1/3程度切り戻し、赤玉土主体(赤玉7・桐生砂2・富士砂1 等)の用土に植え替える。古い根鉢の周囲をほぐして新しい用土となじませる。
- なぜ
- 古い根が詰まると水通り・空気の流れが悪化し、樹勢が落ちる。芽動き前に行うことで植え替えのダメージを最小化できる。
- 注意
- 芽が動き始めた後の植え替えは樹を弱らせる。葉色が黄ばんできた木は植え替えを1年遅らせる判断もあり。
- 芽摘み4月・5月(上旬-中旬)毎年
- やること
- 蝋燭状(キャンドル状)に伸びた新芽(ミドリ)を、長さの1/3〜1/2程度の位置で指で摘み取る。強い芽ほど多く摘み、弱い芽は残す。
- なぜ
- 新芽の勢いを揃えることで枝数を増やし、樹冠のシルエットを整える。強い芽を放置すると枝が暴れて樹姿が乱れる。
- 古葉取り11月・12月(全般)毎年
- やること
- 前年以前の古い葉を、ピンセットや指で根元からつまみ抜く。樹冠内部から日光と風が通るようにする。
- なぜ
- 古葉が残ると内部の弱小芽が枯れ、樹冠の骨格が崩れる。日照確保で来春の芽吹きを揃える効果もある。
- 剪定1月・2月・11月・12月(全般)毎年
- やること
- 休眠期に不要枝(忌み枝・かんぬき枝・車枝)を整理し、樹姿の骨格を作る。太い枝は癒合剤を塗る。
- なぜ
- 成長期前に骨格を決めることで、春の樹勢が骨格作りに集中する。樹液の流動が少ない休眠期は切口の修復負荷も低い。
- 針金掛け1月・2月・11月・12月(全般)適宜
- やること
- アルミ線または銅線を、枝の太さの1/3程度の番手で巻き、ゆっくり曲げて樹形を作る。半年-1年で外す。
- なぜ
- 黒松は枝が硬く曲がりにくいが、休眠期は樹液流動が少なく折れにくい。長期間かけ続けると食い込み跡が残る。
クロマツを学ぶ本
広告 (Amazon Associates) →この樹種に出やすい病害虫 (6)
- 害虫high
カイガラムシ
幹・枝に白〜茶の貝殻状の付着物。樹液を吸い、放置で枝が枯死する。とくに梅・松で被害大。
- 害虫medium
ハダニ
葉が点状にカスれて色が抜け、樹全体が銀緑色に。葉裏に微小な赤い虫。乾燥期に大発生。
- 害虫high
マツカレハ
松の針葉を一晩で食い尽くす大型毛虫 (5-7cm)。樹冠全体が一気に丸坊主に。
- 害虫high
コガネムシ幼虫
樹勢が突然弱り、葉色が薄くなる。鉢を返すと白い C 字形幼虫が根を食害。
- 病害medium
赤星病
葉表に橙赤色の斑点、葉裏に毛羽状の胞子塊。真柏と Malus 系で交互寄生する宿主交代型。
- 病害high
葉枯れ病
松の針葉先端から褐変が進み、やがて葉全体が枯死。葉柄基部に黒い小点 (胞子塊) ができる。





