Species Kind
16 species
実物(みもの)の盆栽
実を成らせるには、受粉の条件(一本で成るのか、別株の花粉が要るのか)、成りすぎを防ぐ摘果、そして実を充実させる施肥という三つの管理が要ります。「今年は実が付かなかった」原因の多くは木の不調ではなく、受粉と剪定時期にあります。
実物が向く人
- 秋冬に見どころを作りたい人
- 受粉や摘果といった作業を面白がれる人
- 花物とセットで一年を通して変化を楽しみたい人
代表的な樹種
実物でよくある悩み
- 花は咲くのに実が付かない
- 雌雄異株の樹種は受粉相手が必要です。加えて、窒素過多や剪定時期のずれも実付きを落とします。施肥ガイド →
- 葉に橙色の斑点が出た
- ヒメリンゴなどに出る赤星病です。シンパク(松柏)と交互寄生するため、置き場所を離すのが基本の予防になります。赤星病の対処 →
- 実がたくさん付きすぎた
- 成らせすぎると木が消耗し、翌年に実が付きません。摘果で数を絞り、樹勢を保ちます。季節の作業を見る →
実物に付きやすい病害虫
実物の樹種 16種
実物蔓性育てやすさ・やや難しいアケビ(木通)
Akebia quinata
蔓性の落葉樹で、5枚の小葉からなる掌状複葉と紫色の花、秋に実る食用可能な紫色の実が特徴。仕立てが特殊で、支柱や枠に絡ませる演出が一般的。
実物落葉実物育てやすさ・基本管理が必要ウメモドキ(梅もどき)
Ilex serrata
モチノキ科の落葉樹で、葉が落ちた晩秋〜初冬に枝いっぱいに残る鮮やかな赤い実が見せ場。雌雄異株のため結実には雄株が近くにあると確実。冬の落葉景と赤実のコントラストが盆栽の実物代表種として古くから愛される。
実物秋の実育てやすさ・やや難しいカキ(柿)
Diospyros kaki
秋の実物。朱色の実が色付くと圧巻。雌雄異花株で実成りに条件あり。落葉後の整然とした樹形も見所。
実物矮性育てやすさ・基本管理が必要キンシナンテン(錦糸南天)
Nandina domestica 'Kinshi'
南天の矮性葉性品種で、葉が細糸状に切れ込む特徴的な姿。樹高が伸びにくく、紅葉が燃えるように美しい。ミニ盆栽や草もの寄せに使われる。
実物柑橘最小種育てやすさ・基本管理が必要キンズ(金豆)
Citrus japonica var. inermis
柑橘類の中でも最小種で、直径 1cm ほどの黄色い実が枝に鈴なりにつく。香りある白花も楽しめ、半常緑のため葉も冬に楽しめる。寒地では冬場の室内越冬が必要。
実物花も楽しめる育てやすさ・基本管理が必要クチナシ(梔子)
Gardenia jasminoides
実物夏実育てやすさ・基本管理が必要グミ(茱萸)
Elaeagnus multiflora
秋〜冬に赤い小さな実をつける半常緑樹。山グミ・ナワシログミ等の品種があり、盆栽では小ぶりな葉性のものが好まれる。乾燥に強く育てやすいが、実成りで衰弱しやすい。
実物花も楽しめる育てやすさ・基本管理が必要ザクロ(柘榴)
Punica granatum
実物蔓性育てやすさ・やや難しいツルウメモドキ(蔓梅擬)
Celastrus orbiculatus
蔓性の落葉樹で、秋に黄色い実が裂開して中から鮮やかな赤い種が顔を出す独特の景観が魅力。雌雄異株なので結実には雌雄両株が近くにある必要がある。
実物縁起樹育てやすさ・育てやすいナンテン(南天)
Nandina domestica
「難を転ずる」の語呂合わせで縁起樹として古くから愛される。羽状複葉の柔らかな葉、初夏の白花、晩秋〜冬の赤い房状の実、葉の紅葉と、四季を通じて見所がある。仏壇飾りでも親しまれる。
実物蔓性育てやすさ・基本管理が必要ビナンカズラ(美男葛)
Kadsura japonica
蔓性の常緑樹で、夏に黄白色の小花、秋〜冬に赤い集合果(粒が集まった独特の形)が美しい。古名「サネカズラ」とも呼ばれ、平安時代から愛でられた古典的な蔓性盆栽の素材。
実物代表種育てやすさ・基本管理が必要ヒメリンゴ(姫林檎)
Malus prunifolia
実物の代表種。春の花、秋の実、冬の樹形と一年通して見所がある。実成りには十分な肥培と摘果が要点。
実物代表種育てやすさ・基本管理が必要ピラカンサ
Pyracantha angustifolia
常緑で赤実が見事な実物。棘があり扱いに注意。針金掛けは新梢が柔らかい夏が最適。
実物半常緑育てやすさ・基本管理が必要ベニシタン(紅紫檀)
Cotoneaster horizontalis
半匍匐性の半常緑低木で、春に白い小花、秋から冬にかけて赤い実が枝に並ぶ姿が美しい。岩付きや懸崖仕立てが映える。強健で剪定耐性が高い。
実物正月飾り育てやすさ・育てやすいマンリョウ(万両)
Ardisia crenata
実物小実育てやすさ・やや難しいロウヤガキ(老爺柿)
Diospyros rhombifolia
豆柿系の小型柿で雌雄異株。雌株 (実成り) と雄株 (受粉用) のペア管理が必要。秋の橙赤色の小さな実が美しく、盆栽の実物として人気が高い。