Species Kind
18 species
花物(はなもの)の盆栽
花物で最も重要なのは「翌年の花芽がいつ作られるか」です。多くの花物は花が終わった直後から翌春の花芽を準備するため、剪定の時期を誤ると、木は健康なのに翌年だけ咲かないという結果になります。花物を選ぶことは、剪定カレンダーを守ることとほぼ同義です。
花物が向く人
- 毎年決まった時期に明確な見せ場が欲しい人
- 花後すぐの剪定という「期限のある作業」を守れる人
- 実物と組み合わせて季節を通して楽しみたい人
代表的な樹種
花物でよくある悩み
- 木は元気なのに花が咲かない
- 多くは剪定時期のずれです。花芽ができた後に切ると、その年の花はすべて落ちます。樹種ごとの適期を確認してください。剪定ガイド →
- 葉の色が抜けて白くかすれる
- サツキで多いグンバイムシの被害です。葉裏の黒い点で判別でき、放置すると花付きが極端に落ちます。グンバイムシの対処 →
- 花が終わった後に何をすればいい?
- 花がら摘みと花後の施肥が翌年に効きます。花で消耗した木を回復させる時期です。施肥ガイド →
花物に付きやすい病害虫
花物の樹種 18種
花物品種桜育てやすさ・育てやすいアサヒヤマザクラ(旭山桜)
Prunus 'Asahiyama'
花物梅雨の花育てやすさ・基本管理が必要アジサイ(紫陽花)
Hydrangea macrophylla
梅雨時期を彩る代表的な花木。土壌の pH (酸性で青、アルカリ性で赤) によって花色が変わる興味深い性質を持つ。盆栽では葉が小さく節間の詰まる山アジサイ系が好まれる。
花物常緑育てやすさ・基本管理が必要アセビ(馬酔木)
Pieris japonica
ツツジ科の常緑樹で、早春に枝先から鈴蘭のような白い小花を房状に咲かせる。全株に毒があり馬が食べると酔うことから「馬酔木」と書く。樹形が自然に整いやすく、初心者向き。
花物蔓性育てやすさ・育てやすいオウバイ(黄梅)
Jasminum nudiflorum
名前に「梅」とつくが分類はジャスミン科で、梅とは別属。葉が出る前の 1-3 月に黄色い花を枝に沿って咲かせる。蔓状に伸びる枝が垂れる姿が美しい。
花物春の桃花育てやすさ・基本管理が必要カイドウ(海棠)
Malus halliana
リンゴ属の落葉樹で、春に桃色の半八重花を枝いっぱいに咲かせる古典的な花物。日本では平安時代から愛でられ、楊貴妃の美しさにも例えられた。姫リンゴと同属で実もつける。
花物品種梅育てやすさ・基本管理が必要コウバイ(紅梅)
Prunus mume
梅の赤花品種群の総称。樹勢は梅と同等で、花後の剪定と施肥で来年の花を作る。「枝を作る盆栽」の代表で、花後の手入れで一年が決まる。
花物代表種育てやすさ・やや難しいサクラ(桜)
Prunus
春の主役。八重・一重・枝垂れ等の品種豊富。花後すぐの剪定と短果枝管理が要点。短命と言われるが盆栽では適切管理で50年以上維持可能。
花物代表種育てやすさ・育てやすいサツキ(皐月)
Rhododendron indicum
5-6月の花が主役。花後すぐの剪定と植え替えが要点。鹿沼土主体の酸性用土を好む。品種は1,500種以上。
花物早春の黄花育てやすさ・育てやすいサンシュユ(山茱萸)
Cornus officinalis
早春の枝に黄金色の小花を密に咲かせ「春黄金花」とも呼ばれる。秋には赤い実も付き、花と実の両方を楽しめる。樹勢強健で薬用としても利用される。
花物矮性ボケ品種育てやすさ・育てやすいチョウジュバイ(長寿梅)
Chaenomeles japonica 'Chojubai'
草木瓜(クサボケ)の矮性品種で、長寿のような名前から縁起樹として愛される。赤・白・桃の小花を春と秋の年 2 回咲かせる稀少な特性を持ち、盆栽古典の名木種。
花物常緑育てやすさ・基本管理が必要ツバキ(椿)
Camellia japonica
冬-早春の常緑花物。光沢ある常緑葉で年中楽しめる。花殻摘みと夏期の半日陰管理が要点。
花物蔓性育てやすさ・基本管理が必要テイカカズラ(定家葛)
Trachelospermum asiaticum
蔓性常緑樹で、5-6月に星形の白花を咲かせ、芳香を放つ。秋から冬にかけて紅葉も楽しめる。樹幹に巻きつかせる仕立てや、寄せ植えに用いる。
花物北米原産育てやすさ・基本管理が必要ハナミズキ(花水木)
Cornus florida
北米原産の落葉樹で、4-5月に白または桃色の苞葉が花のように見える独特の樹。桜の返礼として日本に渡ったエピソードでも知られる。秋の紅葉と赤い実も楽しめる。
花物蔓性育てやすさ・基本管理が必要フジ(藤)
Wisteria floribunda
蔓性の花物で、垂れる花房が他にない魅力。蔓の整理と短果枝管理が要点。鉢植えでは肥培と剪定で花付きを維持。
花物花も実もあるが慣習的に花物育てやすさ・基本管理が必要ボケ(木瓜)
Chaenomeles speciosa
早春から春の花物。赤・桃・白・覆輪等の品種豊富。花も実も楽しめるが慣習的に花物扱い。短果枝の管理が花付きの鍵。
花物梅の原種育てやすさ・基本管理が必要ヤバイ(野梅)
Prunus mume var. typica
栽培品種の元となった梅の原種で、白い一重花と強い芳香が特徴。樹勢が強健で剪定耐性も高く、盆梅の入門種としても適する。
花物早春の黄花育てやすさ・育てやすいレンギョウ(連翹)
Forsythia suspensa
早春の鮮黄花。3月の彼岸頃に葉に先駆けて咲く。蔓性の長い枝を活かした懸崖・半懸崖が映える。耐寒性が強く育てやすい入門花物。
花物冬の花育てやすさ・基本管理が必要ロウバイ(蝋梅)
Chimonanthus praecox
冬の花物。1-2月に半透明の黄色花が咲き、強い芳香で新年を告げる。落葉樹で休眠期と成長期の作業がはっきり。